狭山事件・三億円事件 とコラム

勝どき書房の「コラム・ゆりかもめ」から転載許可。

狭山事件・解剖途中でスコップ撮影・2

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        ■□ 第267号 2008/07/23■□
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◆◆「狭山事件・解剖途中でスコップ撮影・2」◆◆
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 5月4日に善枝さんの死体解剖が、自宅の物置付近で行われた。いまなら、殺人事件の被害者の解剖を自宅裏の物置付近で行うようなことはほとんどない。当時は、農山村で近くに大きな病院などの施設がない場合は時々あった。ひどい場合は野次馬が遠くから見ることができるような「青空解剖」もあった。「朝日ニュース昭和映像」の死体発見直後の映像にも、善枝さんの死体を担架に乗せて数人の警官が運ぶところが写されていた。近所の人たちも映っている。最近では、非常線を張り、ビニルシートで隠して、運ぶところさえ見せない。おそらく、死体は担いでそのまま自宅まで運ばれたのだろう。それを写しているニュースカメラマンがいたという事実は、死体の搬送は事実上公開されていたことになる。
 このような公開の場で、もし死体が見つかった付近にスコップがあったら、だれもが、気付いたはずだ。「スコップが死体の近くで見つかった」という報道もないし、警察発表があったというデータもない。だから、スコップは死体があった付近にはなかった。結果的に11日に森養豚場(仮名)のスコップが見つかるまで、死体のあった付近ではスコップはなかったことになる。
 ところが、4日の死体解剖の途中でA司法警察員は泥がべっとり付いたスコップを撮影している。ということは、死体が物置に運ばれる以前に、すでにそのスコップが物置付近に置いてあったことにならないか。
 ただ、このスコップは死体を掘り出すために使ったものを、物置まで持ち込み、間違えて撮影してしまったのではないか、という考え方もできるかもしれない。しかし、死体が見つかった地点から善枝さんの自宅までは4キロの距離があり、この間を泥が付いたままのスコップを解剖地点まで運ぶことは考えられるだろうか。おそらく、死体を掘り出すときに使ったスコップは近くの農家から借りたか、警察から持ち込んだもので、それをわざわざ被害者宅の物置まで持って行くはずはないと考えるのがふつうだ。
 カメラを持ったA司法警察員は、解剖している途中、様々な場面でシャッターを切った。その撮影が終わらない途中で、上司から指示されてスコップを撮影したのだろう。その後で、さらに善枝さんの衣類などを写している。
 前回の「コラム・ゆりかもめ」でも触れたが、藤田弁護士が「実況見分に際し、事件とは無関係のスコップをわざわざ写真に撮ることはありえないことであるので、右スコップがあるいは真実の死体埋没に用いられたスコップではないかとの疑惑を打ち消すことはできないのである」と「狭山差別裁判 第8集下」(解放同盟が出版)で書いている。
 ということは、物置付近にあったスコップはいったいなんだったのか。藤田弁護士の主張の通り、死体埋設に使用したものの可能性も捨てきれないのではないか。  (つづく)
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◆◆「ダガーナイフよりも猟銃所持の禁止を」◆◆
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 警察庁はアキバ事件で凶器として使用されたダガーナイフを所持禁止するために法律を改正する方針を決めたという。銃刀法では、刃渡り15センチ以上の刃物のを所持を禁止しているが、ダガーナイフは刃渡り13センチだった。銃刀法を改正して、13センチでも所持そのものを禁止する。
 しかし、ダガーナイフの所持を禁止したからといって、アキバ事件のような「だれでもよかった・無差別殺人」が防げる訳ではない。工具として販売している小刀や、調理用の包丁などは、銃刀法の規制対象外なので、刃物店へ行けば刃渡り13センチ以上の鋭い刃物は自由に買える。
 わたしは、刃物よりも、むしろ猟銃の方が心配だ。
 過去において起きている無差別殺人は、刃物よりも猟銃の場合が悲惨で多数の人が殺されている。猟銃は被害者に接近する必要がないので、ほとんど抵抗することなく殺されている。ところが、猟銃は許可を受ければだれでも所持することができる。
 不思議なのは、ほとんど猟に行かない人が持っている場合がある。なぜだろうか。かつて、起きた猟銃殺人の例をみると、最初から猟のために買ったのでなく、人殺しの道具として買った場合が多い。ある事件では家族や親類、近所の人が「猟銃を買い込んだ男がいて猟をする様子がなく、なにをするか心配だから取り上げてほしい」と警察に訴えた。警察は男が一度も猟に行かないため、説得して銃を取り上げた。しかし、男はほとぼりがさめると、もう一度猟銃を買い、今度は近くの山に入りウサギを追いかけてたりしていた。それで、警察も手が出せず、放置した。すると、その猟銃で近所の人を殺し、自殺する事件が起きてしまった。
 猟銃を持っている人が、将来人を殺すかどうかを事前に判定するのは不可能に近い。ストーカー行為をしていたり、近所とトラブルがあったりしているとしても、それがすぐに猟銃で殺すとは限らない。
 許可さえ取れば不法所持にならない猟銃は、ダガーナイフ以上に危険な凶器だ。それに、この狭い日本で猟銃を使って猟をしなければならない場所がどれほどあるのだろうか。イノシシだと思って撃ったら、猟師仲間だったという事件も起きている。子供が自宅でいじっていて、暴発して兄弟を殺してしまったという例もあった。
 思い切って、猟銃そのものの所持を禁止できないだろうか。どうしても、猟銃を使いたい人には、猟場で銃をレンタルする方式にしたら、家に持ち帰らないですむ。そこまで徹底しないと、これからも銃による殺人が起きる心配はなくならないだろう。
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